遺産分割方法 現物 換価

遺産には現金に限らず、他にも不動産(土地や建物)や株式、車、貴金属など、様々なものがあります。相続人同士が公平に分けるのは難しい場合がほとんどです。

遺産分割の方法には、主に「現物分割・換価分割・代償分割」の3つがあります。

それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

 

相続時の遺産分割方法は大きく3つ!

民法では、相続が発生したときに「相続人同士で争いが起きないように、公平に分配出来るよう」各相続人に法定相続分を定めています(民法第900条)。

ただし、必ず法定相続分にしたがって遺産を分けなければならないという訳ではなく、相続人全員が納得するのであればどのように分けるか自由に決めることができます(民法第907条)。

相続人全員が納得の上で遺産を分割するために行われるのが遺産分割協議です。

その際に使われる遺産分割の方法は大きく分けると以下の3つです。

  1. 現物分割(げんぶつぶんかつ)
  2. 代償分割(だいしょうぶんかつ)
  3. 換価分割(かんかぶんかつ)

なお、「①現物分割→②代償分割→③換価分割」の順番に検討します。

実際にはもう1つ④「共有分割」というものもあります。財産を複数の相続人で共有する方法です。ただし、これは、①〜③の方法を駆使しても、話合いがまとまらなかった場合に、法定相続割合で遺産を共有するというものです。共有分割は、後々トラブルに発展しやすい方法なのであまりオススメできません。最終手段と考えておいてよいでしょう。

原則として遺言があった場合は遺言の内容に従って遺産を分けることになりますが、相続人全員が同意していれば、遺言の内容とは別に遺産分割協議を行い、改めて別の内容で遺産を分けることが可能です。

 

現物分割(げんぶつぶんかつ)とは?~遺産を物ごとにそれぞれ相続する方法!~

最も一般的な遺産分割方法で、現金や不動産などの1つ1つの財産を、相続人が(形状や性質を変えずに)それぞれに相続する方法を言います。

例)遺産として、預金、土地2筆、建物2棟がある場合に、配偶者が土地1筆・建物1棟、長男が土地1筆・建物1棟、長女が預金を相続する。

参考:1筆の土地は複数の相続人で持ち分を分けると共有分割となりますが、分筆(土地を法的に分割すること)してそれぞれの相続人が単独で相続する方法をとれば現物分割できます。

 

現物分割のメリット

手続が単純で分かりやすく、遺産をそのままの形で相続できるというメリットがあります。被相続人が残してくれた遺産を処分したくない場合などに適しています。

 

現物分割のデメリット

遺産の内容によっては相続人の間で公平に分けるのが難しくなります。

例えば、相続人が2人で遺産が1億円相当の不動産と4,000万円の預金のみだった場合、どちらを誰が相続するかで揉める可能性が高いでしょう。

特に、メインの遺産が例えば不動産や非上場株式だったような場合には揉める可能性は高くなるので注意が必要です。

そこで検討するのが次の方法②「代償分割」です。

 

代償分割とは?~遺産を取得する代わりに現金を支払う方法!~

代償分割は、相続人の1人が遺産を多く取得する代わりに、他の相続人にそれに見合うお金(代償財産)を支払う分割方法です。

例)遺産は1億円相当の不動産と預金4,000万円,相続人は長男と長女の場合

「長男が不動産を相続し、長女が預金4,000万円を相続した上で、長男は長女に3,000万円の現金(代償金)を支払う」それぞれが公平に7,000万円相当の遺産を取得したのと同様になります。

 

代償分割のメリット

揉めやすい④共有分割という形を避け、なるべく公平に遺産を分けることができる。

 

代償分割のデメリット

遺産をもらう代わりに支払うお金はその相続人のポケットマネーから支払われなくてはならないため、現実問題その相続人にお金がないと代償分割ができません。

さらに、遺産分割協議で代償分割の約束をしたのに、代償金が支払われずに揉めて、訴訟に発展するケースもあります。

 

換価分割とは?~遺産を換金して分割する方法!~

換価分割(かんかぶんかつ)は遺産を一旦売却し、その代金を相続人間で分配するという遺産分割方法です。

例)遺産が1億円の不動産のみだったような場合(相続人は長男と長女)

→土地を売却して現金に変え、その現金を2人で平等に分ける。

 

換価分割のメリット

最終的に現金を分ける形になるので、1円単位まで公平に遺産を分割することが可能です。

代償分割のように代償のお金を払う必要もないため、資力(お金)がなくても可能です。

さらに、相続税を収める場合、ここから相続税の資金を準備することができます。

また、土地や不動産を処分するケースであれば、最近話題となっている「空き家問題」の対策にもなります。

 

換価分割のデメリット

デメリットとしては、

  • 故人が残してくれた財産(家や土地)を手放すことになる
  • 財産の売却に手間や費用がかかる
  • 土地などなかなか買い手がつかないことがある
  • 売却するタイミングによって価格が変わってしまう
  • 売却により各相続人に譲渡所得税がかかることがある

という点が挙げられます。

 

換価分割の留意点

換価分割をする際に共同相続人全員での共有名義ではなく、特定の相続人の名義で相続登記をしてから売却することがあります。その方が、その相続人だけで売買契約を締結することができ、売却手続を簡便に行うことができるからです。

この場合、売却代金を他の相続人に分けると、贈与税が課せられるのではないかと不安に思われる方がいるかもしれませんが、この場合に贈与税が課されることはありません。

というのも、このような単独名義での登記は、単に換価のための便宜上のものに過ぎないからです。ただし、この場合は一旦単独名義にすることを遺産分割協議書に明記しておくべきです。

 

最後に遺産分割協議書にしっかりと記録することも重要

遺産分割の話し合いがまとまったら、最後に決まった内容を遺産分割協議書として残しましょう。相続ではこの遺産分割協議書は非常に重要なものとなります。

不動産の名義変更(相続登記)や相続税の申告書を提出するとき、故人名義の預金を解約するときなどなど、様々な手続きで今後遺産分割協議書は必須になります。

遺産分割協議書には正しい書き方というものがあり、ルールを守って書くことで初めて法的な効力を持ちます。

また、最後の最後に遺産分割協議書を作るのが面倒だからといって、作らずに「誰かが一旦まとめて遺産を相続し、後からその人が他の相続人にお金を払うようにする」という方法で締めくくってしまった場合などは、「贈与」とみなされ、贈与税を課税されるおそれもあるのでやめておいた方がいいでしょう。

いずれにせよ、最良の分割方法、正式な遺産分割協議の書き方、相続税対策のご相談は当事務所にまるごとお任せ下さい。

相続の最終的な形は千差万別で、家庭によりそれぞれです。ご自身の置かれた相続の境遇に合った遺産分割方法を選び、大きなトラブルに発展しないようにしましょう。

 

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