遺言・相続の流れ(遺言がない場合)

図 遺言・相続の流れ(遺言が無い場合)

  1. 故人の死亡(相続の開始)
  2. 遺言書の捜索
  3. 遺言書が無いことが確定
  4. 相続人調査
  5. 遺産の調査(相続放棄、限定承認の検討)
  6. 遺産分割協議
  7. 調停
  8. 審判
  9. 遺産を分配

 

②遺言書の捜索

まずは遺言書を徹底的に探しましょう。遺言相続の流れでまず前提となるのが遺言書の有無です。

なぜならば遺言相続を行うとき基本的には故人の意思を尊重し、遺言書に従わなくてはいけないと法律で決められているからです。

遺言書には故人が自分で作成した自筆証書遺言か、もしくは公正役場にて作成や保管した公正証書遺言や秘密証書遺言などの種類があります。

自宅で遺言書が見つからない場合でも故人の金庫や倉庫、もしくは公証役場の遺言書検索システムを捜索し見つかることがあります。

 

なぜまず徹底的に探さなければいけないの?

遺言書が無い場合、遺産の分け方をどうするかを決めるべく、相続人間で遺産分割協議という話し合いを行います。その前後にも様々な手続きを行わなければいけないのですが、万が一遺産分割協議後に意外な場所から遺言書が見つかった場合、全ての話し合いや手続きを一からやり直さなくてはならないことがあるからです。

 

遺言書があっても遺言なしと判断される場合も

遺言書が見つかったとしても、遺言書の正式な書き方のルールが守られていない場合などは裁判所で遺言書が無効と判断される場合があります。

遺言書とは、作成日の日付けが1つ抜け落ちていても無効となってしまう繊細なものです。どんなに事細かに遺産の分け方などの記載があったとしても、無効=法律上は”遺言なし”という扱いになります。

遺言が無効の場合、遺産相続の手順も「遺言が無い場合」として進んでいきます。

 

④相続人の調査

法定相続人・・・法律上故人の遺産を譲り受ける権利のある人

遺言が無い場合まずは、相続人の範囲が(家系図的に)どこまでに及ぶのか、どの人物なのかを確認します。

 

⑤遺産の調査

次に分ける遺産が一体どのくらいあるのかを調べます。

調査をした際、プラスの財産をマイナスの財産が上回るような時には、ここで相続放棄を検討しなければなりません。

プラスの財産、マイナスの財産どちらが多いか不明確な場合、限定承認するかを検討しなければなりません。

ここで検討しなければならない、とは、どちらも相続の開始を知った時から3ヶ月以内という期限があるからです。

 

⑥遺言の無い場合は遺産の分け方は全て遺産分割協議で一から決める

法定相続人・・・法律上故人の遺産を譲り受ける権利のある人

遺産分割協議・・・遺産の分け方について相続人全員で話合い、その結果を記録すること

遺産分割協議書・・・その記録

遺産分割協議を行い、全ての遺産の分配をそれぞれ決めていくのですが、ここでポイントなのは、相続人全員の合意で遺産分割を決定していかなければならないという所です。

 

法定相続人が音信不通のケースでは不在者財産管理人が必要

法定相続人の中で行方不明者がいる場合や行方は分かっているものの一向に召集に応じてくれない人がいる場合はどうすればよいのでしょうか。

相続というものそれ自体には時効の概念が無く、遺産分割協議は相続人全員の合意を前提としているため、このままでは永遠に遺産を分けられない状況となってしまいます。この場合、相続人の代わりに財産管理を行う「不在者財産管理人」を選びます。不在者財産管理人は裁判所での許可申請手続きをすることで遺産分割協議に参加することが可能となります。

不在者財産管理人は、不在である相続人の代わりに遺産分割協議書に合意し、署名捺印をすることができます。不在者財産管理人は利害関係のない人物、あるいは弁護士、司法書士を選任するのが一般的です。

遺産分割の方法など

 

遺産分割協議がまとまらなかったら

遺産分割に話合いがどうしてもまとまらない場合、最終的な解決の方法は「調停」もしくは「審判」しか残されていません。

まとまらなかった場合

 

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