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『令和7年10月の土曜相談日』のお知らせ
弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月3回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料】。
令和7年10月の相談日は次の通りです。
① 10月 4日(土)(担当弁護士:原)
② 10月11日(土)(担当弁護士:三塚)
③ 10月25日(土)(担当弁護士:高橋)
お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。
相談場所は、原則として五橋本店となります。
(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)
また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。
皆様のご予約をお待ちしております。

宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム「共有不動産の解消方法・地番整備・境界確定を弁護士が解説」
1 はじめに
相続財産の中に共有不動産が含まれる場合、共有状態を放置すると将来的にトラブルが起こりやすくなります。例えば、相続を重ねることで共有者が増え、権利関係が複雑化して譲渡や売却が困難になったり、境界や地番が不明確なままでは遺産分割協議や相続税対策が進めにくくなることがあります。
そのため、不動産を相続した段階で、
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共有関係の解消
-
地番の整備
-
境界の確定
を行っておくことが、相続・遺産分割をスムーズに進めるための有効な対策となります。
2 共有不動産の法律関係
(1)共有とは
複数人が1つの不動産を一定割合で所有することを「共有」といい、各人の割合を「持分」と呼びます。相続発生後の「遺産共有」もこれに含まれます。
ただし、遺産共有の場合は遺産分割協議または家庭裁判所の審判によって解消されるのが原則です。相続開始から10年が経過しない限り、単純に「共有物分割請求」をすることはできません(民法258条の2)。
(2)共有物の利用・管理・処分
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各共有者は、自分の持分を自由に処分可能
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不動産全体の利用や変更は、原則として共有者全員の同意が必要
-
建物の賃貸などの「管理行為」は、持分価格の過半数で決定可能
このように、共有不動産は権利関係が複雑で、協力が得られない共有者がいる場合には解消が進まないケースも少なくありません。
3 共有不動産の解消方法
(1)共有物分割協議
共有者間で合意できれば、以下の方法で分割可能です。
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現物分割:土地を分筆してそれぞれ単独所有にする
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代償分割:一人が取得し、他の共有者に代償金を支払う
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換価分割:売却して代金を分け合う
(2)共有物分割請求訴訟
協議がまとまらない場合、裁判所に「共有物分割請求訴訟」を提起できます。判決により現物分割・代償分割・競売による分割が行われます。
(3)所在不明共有者がいる場合
共有者の中に連絡がつかない人がいる場合には、
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所在不明共有者の持分取得の裁判
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持分譲渡権限付与の裁判
を利用して、共有不動産を処理できる制度があります。相続や売却を進める上で有効な手続きです。
4 地番整備・境界確定の手続き
(1)地番の整備
地番は土地ごとに登記所で付される番号で、所有権や分筆登記の基礎となります。整理されていない場合、相続や売却時にトラブルの原因となるため、早めの整備が望ましいです。
(2)境界確定
隣地所有者との境界が不明確な場合には、
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筆界特定制度(法務局に申請して専門家が調査)
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境界確定訴訟(裁判所で最終的に確定)
といった手続きを利用して、境界を明確化します。これは将来の土地トラブル予防に直結します。
5 まとめ
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共有不動産は放置すると相続トラブル・売却困難・税務上の不利益につながる
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解消方法には「協議」「裁判」「所在不明共有者への対応」など複数の制度がある
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相続不動産については、地番の整備や境界確定を同時に進めることが重要
6 当事務所へのご相談
弁護士法人結の杜総合法律事務所は、代表弁護士が税理士資格を有し、税理士法人も運営しています。相続・不動産の法律相談だけでなく、相続税・譲渡税など税務面のアドバイスまで一貫してサポート可能です。
さらに、司法書士・土地家屋調査士とも連携しており、
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共有物分割請求
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境界確定
-
不動産登記
までワンストップで対応いたします。
「共有不動産を解消したい」「境界を確定したい」「相続トラブルを避けたい」方は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談では手続きの流れ・費用・解決方針を丁寧にご説明いたします。
👉 [弁護士法人結の杜総合法律事務所の総合ホームページはこちら]

宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム「死因贈与とは?遺言との違いや税金の注意点を弁護士・税理士が解説」
1 はじめに
「親が自筆証書遺言を残していたが、押印がなく無効だといわれた。記載されている内容通りに財産を取得できないのか?」
このようなご相談を受けることがあります。
結論から言うと、押印を欠いた遺言は原則無効です。しかし、場合によっては『死因贈与契約』として有効に扱える可能性があります。
本記事では、死因贈与とは何か、遺言との違い、税金上の注意点について、弁護士かつ税理士がわかりやすく解説します。
2 死因贈与と遺言の関係(法的性質)
民法554条では「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与」=死因贈与と規定されています。
遺贈と似ていますが、厳密には以下の点が異なります。
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死因贈与は「生前贈与の一種」であり、贈与者の死亡を始期とする期限付贈与と考えられる。
-
遺言は死亡まで効力を発しませんが、死因贈与は契約成立時点で受贈者に「期待権」が生じます。
3 死因贈与と遺言の違い(4つの視点)
(1) 撤回の可否
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遺言は自由に撤回可能。
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死因贈与は契約であるため、原則撤回できません。判例(最判昭58・1・24)でも同様の立場がとられています。
(2) 贈与財産の処分
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遺言:死亡まで効力がない → その間の処分は「撤回」とみなされる。
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死因贈与:契約成立済み → 抵触する処分は「債務不履行」として扱われる。
(3) 方式
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遺言:自筆証書、公正証書など厳格な方式が必要。
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死因贈与:口頭でも契約可能。契約書も全文自筆である必要なし。
(4) 効力と承継
-
死因贈与契約成立時点で受贈者に期待権が発生。
-
贈与者死亡後、受贈者が既に亡くなっていれば、その相続人が権利を引き継げる。
4 死因贈与と税金(相続税・不動産取得税・登録免許税の違い)
(1) 相続税
-
共通点:遺贈も死因贈与も、相続税の課税対象になります。
(2) 不動産取得税
-
遺贈による取得:非課税。
-
死因贈与による取得:課税対象。仙台高裁判例(平成2年12月25日)でも確認されています。
(3) 登録免許税
-
相続人への遺贈:相続と同じ税率(不動産価額の1,000分の4)。
-
死因贈与:相続人であっても高い税率(不動産価額の1,000分の20)が課される。
5 無効な遺言書と死因贈与契約
押印がない、印字が多いなど形式を欠いた遺言書は無効です。
しかし、そこに署名があり、さらに受贈者への口頭申入れと承諾があれば、死因贈与契約が成立したと認められる余地があります。
実務では「遺言が無効=全て諦める」ではなく、死因贈与の可能性を検討することが重要です。
6 まとめ
-
死因贈与は「契約」であり、遺言と異なり撤回が制限され、税金面でも扱いが変わる。
-
相続税は共通だが、不動産取得税や登録免許税では大きな差がある。
-
無効な遺言があっても、死因贈与契約として認められる可能性がある。
7 相続・死因贈与のご相談は結の杜総合法律事務所へ
当事務所は、弁護士法人と税理士法人を併設運営している東北唯一の法律事務所です。
相続・遺言・死因贈与・相続税申告など、法律と税務の両面からワンストップでご相談いただけます。
-
遺言書の有効性や死因贈与契約の成立可能性を確認したい
-
不動産の相続や税金(相続税・不動産取得税・登録免許税)が心配
-
仙台・宮城で相続手続に強い専門家を探している
このようなお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。
初回相談では、弁護士・税理士が直接わかりやすくご説明し、ご納得いただいた上でサポートいたします。
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宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
『令和7年9月の土曜相談日』のお知らせ
弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月3回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料】。
令和7年9月の相談日は次の通りです。
① 9月13日(土)(担当弁護士:原)
② 9月20日(土)(担当弁護士:三塚)
③ 9月27日(土)(担当弁護士:高橋)
お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。
相談場所は、原則として五橋本店となります。
(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)
また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。
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宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム「【相続対策×生命保険】相続税の節税に効果的な生命保険の活用法を弁護士・税理士が解説!」
1.生命保険は相続対策に有効!その理由とは?
相続税対策として近年注目されているのが、生命保険の活用です。
被相続人(亡くなられた方)が保険料を支払い、相続人を受取人とした場合、生命保険金には一定額の非課税枠が認められ、相続税の節税に大きな効果があります。
ただし、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって課税される税金の種類が異なるため、加入前に正しい設計が必要です。
また、生命保険金は民法上の「相続財産」には含まれませんが、相続税法上は課税対象となるなど、法律上の取り扱いも注意すべき点があります。
※生命保険が遺産分割の対象になるかどうかについては、以下のコラムもご覧ください:
👉 「生命保険金は遺産分割の対象?相続財産に含まれるかを弁護士が解説」
2.【節税効果あり】生命保険の非課税枠とは?
2-1.非課税となる条件と金額
相続人が死亡保険金を受け取る場合、以下の計算式によって算出される金額までは非課税となります:
非課税限度額=500万円 × 法定相続人の数
※相続放棄した人や相続権を失った人はカウントされません。
この非課税枠を超えた部分にのみ相続税が課税されます。保険金の全額が非課税になるケースもあるため、相続税の節税に非常に有効です。
2-2.非課税枠の配分のルール
相続人ごとの非課税適用額は、以下のように按分して計算されます:
2-3.注意点:第三者を受取人にすると非課税にならない
例えば、内縁の妻や公益法人など、法定相続人以外を受取人に指定した場合には、非課税枠は適用されません。さらに、相続税2割加算の対象となることもありますので注意が必要です。
3.生命保険にかかる税金の違いを整理
契約形態によって課される税金は以下のように変わります。
保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 | 課税される税金 |
---|---|---|---|
① 甲 | 甲 | 乙 | 相続税 |
② 乙 | 甲 | 乙 | 所得税(※一時所得) |
③ 乙 | 甲 | 丙 | 贈与税 |
④ 甲 | 乙 | 丙 | 相続税(契約権) |
-
所得税:保険料を負担した人と受取人が同一の場合。
-
贈与税:保険料負担者・被保険者・受取人がすべて異なる場合。
-
相続税:保険料負担者が亡くなり、その契約権自体が相続された場合など。
4.【事例解説】生命保険による相続税の節税効果とは?
4-1.事例紹介
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被相続人:父
-
相続人:子5人(法定相続人)
-
財産:保険金3,000万円+自宅5,000万円+その他7,000万円(計1億5,000万円)
※保険加入により預貯金から3,000万円を支出
4-2.保険あり・なしの比較
区分 | 相続税額 |
---|---|
保険を活用した場合 | 725万円 |
保険を活用しなかった場合 | 1,100万円 |
⇒ 差額:375万円の節税効果!
生命保険を活用することで、現金で相続するよりも非課税枠が適用される分、手元に残る財産が大きくなります。
5.結の杜総合法律事務所なら、相続対策から相続税申告まで一貫対応!
結の杜総合法律事務所は、東北地方で唯一、弁護士法人と税理士法人を一体的に運営しています。代表の髙橋は弁護士・税理士の両資格を有し、法律と税務の両面からワンストップでご対応が可能です。
-
相続税の節税プランニング
-
保険契約を活用した相続対策
-
相続税申告や遺産分割のサポート
-
税務署からの問い合わせ対応
など、幅広く対応しています。
初回相談は無料です。無理な勧誘は一切行っておりませんので、相続に関して少しでも不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
『令和7年8月の土曜相談日』のお知らせ
弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月3回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料】。
令和7年8月の相談日は次の通りです。
① 8月 2日(土)(担当弁護士:三塚)
② 8月23日(土)(担当弁護士:原)
③ 8月30日(土)(担当弁護士:高橋)
お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。
相談場所は、原則として五橋本店となります。
(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)
また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。
皆様のご予約をお待ちしております。

宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
夏季休業のお知らせ
誠に勝手ながら、弁護士法人結の杜総合法律事務所は、以下の日程を夏季休業とさせて頂きます。
【夏季休業期間】 8月12日(火)~8月15日(金)
【業務開始日】 8月18日(月)~平常どおり、営業致します。
休業期間中のFAX、E-Mail、ホームページ専用フォームによるお問い合わせは受け付けておりますが、お問い合わせに対する回答は、原則として8月18日(月) 以降になりますのでご了承くださいませ。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

宮城県仙台市にある弁護士法人結の杜総合法律事務所は、弁護士と税理士が連携し、遺言・相続に関する無料相談を提供しています。当事務所では、相続トラブルや手続きの悩みに対し、専門チームが丁寧に対応いたします。初回相談や費用見積もりは無料で、仙台・宮城の皆様に寄り添ったサービスを心掛けています。相続に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
コラム「遺産分割において不動産の評価額はどのように決まるのか?【弁護士・税理士が解説】」
相続財産に不動産が含まれている場合、その「評価額」をめぐって相続人間で争いが生じることは少なくありません。不動産の評価方法には複数あり、評価額の違いが遺産分割の公平性に大きく影響するからです。
本コラムでは、相続における不動産の評価方法について、法律・税務の両面から解説します。不動産の公的評価基準や実務でよく使われる評価方法、裁判所での扱いなどを知ることで、トラブルを避けた円満な遺産分割に役立てていただけます。
1. 相続における不動産の評価方法とは?
遺産分割の際、不動産の評価額をどう決めるかは極めて重要なポイントです。評価額によって、各相続人が取得する財産の公平性が左右されます。
不動産の評価には主に次のような方法があります。
2. 不動産の公的評価基準とは?
(1)公示価格(こうじかかく)
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国土交通省が毎年公表する、特定の標準地の価格。
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不動産鑑定士による評価をもとに、正常価格として設定される。
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取引価格の指標や公共事業の算定基準となる。
ただし、公示価格は「標準地」に基づくため、個別の不動産の特殊事情を反映できないという限界があります。
(2)固定資産税評価額
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市町村が定める土地・建物の評価額で、課税の基準として利用される。
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公示価格の約70%が目安。
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3年に1回の評価替えであるため、地価変動に対するタイムラグが発生します。
(3)相続税評価額(路線価)
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国税庁が公表する「路線価」または「倍率方式」によって算定。
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毎年見直されており、地価の変動を比較的正確に反映。
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相続税の申告実務でもよく使われるため、実務上、最も合意が得られやすい方法です。
3. 公的評価基準以外の評価方法
(1)不動産業者による査定
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不動産業者が提示する想定売却価格。
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無料で入手しやすい一方、客観性や公平性に疑問が残ることも。
(2)家事調停委員の専門意見
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裁判所の調停手続で、不動産鑑定士資格を持つ委員が意見を述べる制度。
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一定の専門性と客観性はあるが、現地調査を行わない点で精緻さに限界があります。
(3)私的鑑定
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当事者が不動産鑑定士に依頼して実施する鑑定。
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鑑定評価基準に従って行われれば、最も客観的で信頼性が高い方法といえます。
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タイトルが「鑑定書」ではなく「意見書」や「査定書」の場合は注意が必要です。
4. 不動産評価額に関する合意と裁判所の判断
(1)合意できる場合
評価額は法的に絶対的なものではなく、相続人間の合意で自由に決められます。例えば、公示価格と固定資産税評価額の中間を取る、といった柔軟な調整も可能です。
(2)合意できない場合の扱い(分割方法別)
・換価分割(売却して現金化)
評価額は問題にならず、売却金額を分け合う。
・現物分割(不動産を誰かが取得)
不動産同士の相対的な評価が分かればよく、必ずしも鑑定は不要です。
・代償分割(取得者が他の相続人に金銭を支払う)
不動産の絶対的な価値が必要となるため、鑑定が必要です。
5. 裁判所が行う不動産鑑定のポイント
(1)評価時点の選定
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通常、遺産分割時点の価格を基準に鑑定。
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寄与分・特別受益がある場合は、相続開始時と遺産分割時の両方の鑑定が必要です。
(2)前提条件の確認
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鑑定の精度は「前提条件」で左右されます。
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抵当権の有無
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建物や借地権の影響 など
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鑑定前に当事者と裁判所がしっかりすり合わせることが重要です。
6. 鑑定書の信用性を確認するには?
不動産鑑定士が作成する書面のうち、タイトルが「鑑定書」であれば鑑定評価基準に基づく信頼性の高い資料といえます。
一方、「査定書」「意見書」「評価書」と記載されている場合は、簡易的な内容であることが多く、信用性が相対的に低い可能性があるため注意が必要です。
7. 相続・不動産評価にお困りの方へ
結の杜総合法律事務所では、東北唯一の弁護士法人・税理士法人併設事務所として、法務と税務の両面から相続を総合的にサポートしています。
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弁護士・税理士が直接対応し、手続きの流れや費用を丁寧にご説明
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無理な勧誘は一切なし。まずは相談だけでも歓迎です
「遺産分割で不動産の評価に悩んでいる」「相続税の申告と評価を一括で相談したい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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コラム「遺産分割はやり直すことができるのか?〜弁護士・税理士が法律と税務の両面から解説〜」
1. 遺産分割協議のやり直しは可能か?
遺産分割協議は、相続人全員の合意により成立します(民法907条1項)。そして、いったん成立した遺産分割協議には相続開始時に遡る効力(遡及効)が生じます。
しかし、共同相続人全員の合意があれば、その協議を解除し、新たに遺産分割協議をやり直すことも可能です。最高裁平成2年9月27日判決でも、その旨が明確に認められています。
ただし、やり直しには法律上の注意点も多く、慎重な対応が求められます。
【ポイント】
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全相続人の合意が前提
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当初の協議を「解除」したうえで新たに協議する形になる
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登記や税務上の影響に注意が必要
2. やり直しの遡及効が制限される場合とは?
遺産分割協議の結果は相続開始時に遡りますが、その効力が第三者に影響を及ぼす場合には制限されることがあります(民法909条)。
たとえば、最初の協議によって不動産を取得した相続人がそれを第三者に売却した後、やり直しの協議で別の相続人に帰属させた場合、第三者の権利を不安定にさせることになります。そのようなケースでは、遡及効は制限されます。
3. 遺産分割のやり直しが必要となるケース
(1)新たな事情が判明した場合
遺産分割後に新たな相続財産が見つかった、または当初の協議内容に不満や疑義が生じた場合など、協議をやり直すことで問題解決を図ることができます。
※当初の協議書に「新たな財産が見つかった場合は○○が取得する」と記載しておけば、やり直しの手間を省けます。
(2)当初の協議に無効や取消しの原因がある場合
相続人の一部が協議に加わっていなかった、または意思能力を欠いていた場合などは、協議自体が無効または取り消される可能性があります。
この場合、新たな協議を行っても「贈与」とみなされず、税務上も相続として扱われます。
(3)無効ではないが合意解除によってやり直す場合
協議自体は有効であるものの、相続人全員の合意により解除して再協議を行うことも可能です。ただしこの場合、新たな財産の移転が贈与や交換と扱われる可能性があり、相続税ではなく贈与税が課税されることがあります。
この点については、以下の裁判例も重要です:
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最判平成13年6月14日:再協議により代償債務が発生し、財産を無償移転する場合は「贈与」とみなされ得る。
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最判昭和62年1月22日:相続税の負担調整のためのやり直しについては「相続による取得」と判断し、不動産取得税の非課税が認められた。
4. 税務上の注意点
遺産分割のやり直しは、法的には可能ですが、税務上の取扱いが大きく異なる点に注意が必要です。
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合意解除による再協議 → 贈与税の対象になることも
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無効・取消しの原因がある場合 → 更正の請求や修正申告により対応
相続税や贈与税の負担の違いは非常に大きいため、法的な判断だけでなく、税務的な検討も欠かせません。
【結の杜総合法律事務所では】
当事務所は、弁護士法人と税理士法人を併設運営している東北唯一の法律事務所です。相続問題に精通した弁護士と税理士が連携し、遺産分割の再協議や相続税の修正申告など、法律と税務の両面からワンストップで対応いたします。
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遺産分割のやり直しを検討している
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相続税の申告に不安がある
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税務署との対応に専門家のサポートが必要
このようなお悩みがある方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談無料・無理な勧誘なしで、安心してご利用いただけます。
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令和7年7月の相談日は次の通りです。
① 7月12日(土)(担当弁護士:原)
② 7月19日(土)(担当弁護士:三塚)
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